実家に帰ると、家の飼い猫がまるでこの家の主のように歩き回っている。
ぼくが家を出た後しばらくしてから、同じく一人暮らしを始めた上の妹が世話をしきれなくなって実家に引き取られたのだ。
帰ってくるなりぼくの服やらバッグやらをひととおりニオイをかいだあと、「フンっ」といって去っていく。
まあ、低い声で唸られてた時に比べるとましになったんだけど。
正直いうと、猫は苦手。ひっかかれるのはコワイよー。
小学校に通い始めてすぐのころ、学校に歩いて行く途中にいきなり野良猫に背中から首のあたりまで登ってこられたことがあり、そのときに怖くて泣き出して以来猫が苦手なのだ。どちらかというとぼくは犬好き。
家族はその事件を知らずに猫をかわいがらないぼくを「動物嫌い」と評している。ちょっと納得できないな。
猫は敵がいないことを確認した後、ストーブの前で気持ち良さそうに居眠り。
それにしても無防備になりすぎじゃないか?