先週の日曜日、是枝裕和監督作品「空気人形」を観にシアターキノへ。
きっかけは前の日にtwitterのタイムラインで見かけた公式サイトのurl。
ふとクリックしたこのサイト、予告編を観ただけで体が震えてしまった。
公式サイト http://www.kuuki-ningyo.com/index.html
で、次の日の朝早く札幌行きのバスに乗ってました。
心を持ってしまった空気人形(つまり、ダッチワイフですな)が世の中に触れていろいろな経験をしていく物語。
まあとにかく主演のペ・ドゥナが美しくて素晴らしい。彼女が演じる雰囲気というか空気感にメロメロです。彼女が心を持ち始めるシーンはとてもみずみずしくてステキ。
作品に出てくる登場人物はみんな孤独で空虚。満たされない思いをいつも抱えている。自分が他人から必要と認められていると実感できない。自分は取り替えのきく代用品だ。そういう人たちばかり。
そんな空虚な思いを男たちは代用品で欲望を満たし、女たちは何かに執着することで埋めている。こういう人たちは別に特別でもなんでもない。今に生きる自分の空虚な気持ちを素直に描いているように思えるのだ。
お気に入りシーンは、バイト先のビデオショップで腕を引っ掛けて空気が抜けてしまったけれど、ビデオショップ店員が息を吹き込んでくれたシーン。ペ・ドゥナが見せる、満たされる歓びの表情がたまりません。
この作品はR15指定(15歳未満(中学生以下)入場(鑑賞)禁止)です。公式サイトは見ていましたが、R指定ありとは知らなかったのでびっくり。結構な量のヌードシーンと性行為シーンがあるので、一緒に見に行く人を誘うときは、その辺を受け止めて作品自体を味わえる人を選んだ方がいいかもしれません。
あとは雑感をつらつらと。
・設定時期はクリスマス前から正月開け(ラストシーン)、晴れた冬の日の弱い陽射しがファンタジーな雰囲気を感じさせます。
・撮影監督は「花様年華」を撮った人。この人の撮った作品をもっと観てみたい。
・東京都月島あたりが舞台でしょうか? デートのシーンでお台場とゆりかもめが出てきます。
・ペ・ドゥナのメイド服や超ミニスカートは反則的なきれいさだー。
上映が終わって部屋が明るくなっても、しばらく席を立つ人がいなかったのが印象的でした。そんな自分もメガネの奥はウサギの目をしてましたけどね。